ナポリからのGIFT

少しでもナポリに興味を持つ人が増えれば、と思い、書いています。ただ、稀にプライベートの事も。

デンメ:「チームのために全てを捧げたい」

 

f:id:napoli9627:20211024202209p:plain

レギア・ワルシャワ戦でのデンメ(ナポリ公式より)

 
 現地時間の10月21日(木)に行われたヨーロッパ・リーグ(EL)のレギア・ワルシャワポーランド)戦で、見事3-0の勝利を収めたナポリ。前半は苦しんだチームだったが、システム変更とメンバー交代を機にゴールを立て続けに決めることに成功。次節のローマとの「Derby del Sole(太陽のダービー)」に向けて弾みをつけることに成功した。

 この試合にケガからの復帰後初の先発出場を果たし、献身的な働きでチームの勝利に貢献したディエゴ・デンメが、試合翌日の22日(金)、「Radio Kiss Kiss」のインタビューに答えた。

 

「僕はもう既にケガから完全に回復したし、昨日のパフォーマンスも喜ばしく思っているよ。(アンドレ=フランク・ザンボ・)アンギサは技術もあってパワフルな選手だから、その隣でプレーすることは更なる自信を僕に与えてくれる。
(ルチアーノ・)スパレッティは凄いことをやっているよね。彼は僕らに自身を与えてくれるし、細かいところまで詰めるんだ。スカッドのメンバー全員がプロジェクトに関与し、フィジカル的にもみんな調子がいい。十分な強度でトレーニングを積んでいるし、それを維持していきたいと思っているよ。
スパレッティは僕に対して本当に手助けしてくれていて、全ての動きを説明してくれるし、大切なことをインプットすることができているよ。評価してくれて嬉しいね。僕はチームのために全てを捧げたいし、信頼にこたえていきたいと思っている。」

ー試合後、カピターノ(ロレンツォ・インシーニェ)を称賛していましたが?

「そうだね。彼はトッププレイヤーであり、しかも昨日はその能力を十分に見せつけていたんだ。僕らは彼のすぐ後ろにいたからね。彼は僕らを前向きに導いてくれる選手で、自分で違いも作れる選手だよ。」

ーあなたは昨日、ゴールに迫ったが?

「そうだね。ポストの右側に行ってしまったからね。でも次は決めれるようにするよ。重要なのはチームの勝利と、ヨーロッパの戦いで僕らの名前を刻むことだ。」

ー今季ヴィクター・オシメンが、昨シーズンのケガの欠場からからここまで活躍するとは予想してましたか?

「僕は間近でこんなにも良い攻撃の選手は見たことがない。これまでプレーした中でもいちばんのストライカーだ。彼はセンセーショナルな選手であり、時々その勢いは手が付けられないほどだよね。」

ー次のローマ戦は歴史と伝統に満ちていますが?

「僕たちはどの試合にも同じメンタリティで臨む。ローマは昨日負けたようだけれど(FKボテ/グリムト(ノルウェー)に1-6)、日曜日は確実に修正してくるはずだ。プレーしやすいどころか、とてもタフなゲームになるだろう。」

ー今シーズンの目標は?

「このまま地に足を着けて進んでいかなければならないけど、全ての試合に必ず全力を尽くす必要もある。僕はナポリで満足している。ファンはたくさんの愛情を注いでくれるし、だからこそ僕らはそれに大きなモノで応えたい。スタディオ・マラドーナでのサポートは僕らを後押ししてくれるよ。」

 

 怪我からの復帰後、まだカンピオナートでの先発機会がないデンメだが、そのいぶし銀の活躍はチームにとって不可欠だ。彼が不在の時にもチームが好調だったとはいえ、彼の力なしでは長いシーズンは戦えないだろう。ローマ戦後には続々とビッグマッチが訪れるだけに、スパレッティも期待を寄せる彼の活躍から目が離せない。

好調ナポリ、地に足を付けて進んでいく

 

 昨シーズンは最終節でエラス・ヴェローナに引き分けたことで、ユヴェントスに交わされ5位。CL(チャンピオンズ・リーグ)出場権を逃しただけではなく、その煽りを受けた財政緊縮で大きな戦力補強もなし。唯一の注目トピックスは、ルチアーノ・スパレッティが新指揮官に就任したこと―。

 「補強にびた一文金を使う気はない」というアウレリオ・デ・ラウレンティス会長の一声によって、夏のメルカートで困難を極めていたナポリ。おまけに、ドリース・メルテンスとディエゴ・デンメという主力級のケガによる離脱も発生し、開幕前は厳しい戦いが予想されていたが、今となってはそれがウソのようだ。第7節までを終えて7戦全勝。この上なく素晴らしい成績であるのは今更言うまでもないだろう。

 周囲のライバルチームが着実に補強を進めてシーズンに挑んだ中で、この勢いを開幕直後から継続できているのは、他でもない、スパレッティの功績が大きい。だがそれだけではない。怪我人発生という「災い」が巡り巡って「福」となったのも確かだ。

 


■最終日に獲得したカメルーン代表がが大ヒット

f:id:napoli9627:20211003181637p:plain

スパルタク・モスクワ戦でのザンボ・アンギサ(ナポリ公式より)

 昨シーズンは致命的だったビルドアップの改善に着手しようとしたスパレッティだったが、その軸として、「新たなダビド・ピサーロに」と目論んでいたデンメが膝のケガで離脱し、それに続いてスタニスラフ・ロボツカも9月の代表ウィークで負傷。一気に2つの「災い」が襲い掛かってきたのは痛恨だった。しかしながら、そこに幸運が舞い込む。2人の離脱を受けて急遽中盤の補強を敢行。新たに獲得した、アンドレ=フランク・ザンボ・アンギサナポリにとって最高のラストピースとなったのだ。夏のメルカートで唯一の支出を要したのは確かだが、僅か80万ユーロのレンタル代で「福」を呼び込んだ。フィジカルコンタクトの強さでデュエルを制するだけではなく、パスセンスも良好と、ナポリの中盤を強化するのにうってつけの実力を秘めており、(一切カネを使う気もないのに)噂に挙がっていたモアテン・トルスビー(サンプドリア)やゴンサロ・ヴィジャール(ローマ)、トマ・バシッチ(ボルドーラツィオ)を獲り逃して良かったと思えるほど。スパレッティも、「彼は私たちに必要なクオリティの持ち主だ。そしてそのクオリティは今も増し続けている。」と称賛を惜しまない。前述した選手たちを獲り逃した末、苦肉の策でメルカート終了直前に獲得したアンギサが大ヒットするのだから、正直運に恵まれているのは否めない。ましてや昨シーズン、同じくデッドラインデーに獲得しながらも、期待されていた能力を十分にチームに還元できていなかったティエムイエ・バカヨコと比較すると尚更だ。

 そもそも、元を辿ると昨季にCL出場権を獲り逃すという失態がスタート地点となっている今季のナポリ。中盤と共に補強ポイントに挙げられていた左サイドバックも、この影響で上述の通り「びた一文金を使う気」がなく、補強ができずにいた。なんと言っても主力級となりえるのは、あのマリオ・ルイのみ。エメルソン・パルミエリ(チェルシー→リヨン)をしつこく狙い続けるも、カネを出すことができずに交渉が頓挫。そんなマリオ・ルイもかつてローマで指南を受けた(と言ってもケガで長らく戦線を離脱していたが)指揮官の下で再生している。内に絞るロレンツォ・インシーニェとの連携が円熟の域に達しているこのポルトガル人は、高い位置でボールを動かし、味方との連携で相手守備網を崩していく、どちらかというと攻撃的なサイドバック。アンギサが加わった中盤とセンターバックでゲームを組み立てつつ、高い位置のマリオ・ルイを活用した攻撃へと移行する場面は幾度となく見られる場面だ。これまでに彼が2アシストを記録しているのは偶然ではないだろう

 デンメ&ロボツカの離脱がファビアン・ルイスの起用法に変化をもたらしたのも注目すべき点だ。4-3-3の中盤の底、もしくは4-2-3-1の左ボランチに配置されるようになったこのスペイン代表は、決してジョルジーニョのように小気味よくパスをつけてチームにリズムをもたらす選手ではないが、それでも質の高い中距離パスで左で幅をとるマリオ・ルイや右に開くウィンガー(マッテオ・ポリターノもしくはイルビング・ロサーノ)にボールを正確に届けることができる。CBとのボール交換も円滑で、ここがチームにリズムをもたらす根源となっているとも言えよう。

f:id:napoli9627:20211003153808p:plain

アミル・ラフマニからボールを要求するファビアン・ルイスの背中。このように比較的近い距離でボールを受け、リズムを生む(ナポリ公式より)

 ジェンナーロ・ガットゥーゾ前政権では、左にバカヨコとエルセイド・ヒサイという「守備専門」の2人を置いていたがために、彼らと左サイドで組むインシーニェが良い位置でボールを貰う機会を排除し、また、左のセンターバックを務めるカリドゥ・クリバリのセンス溢れるビルドアップ能力を自ら削ぎ落していたかのようだったナポリ。しかしながら今季は、「福」となったアンギサの存在に加え、マリオ・ルイやファビアン・ルイスの活躍などにより攻撃のスキームが改善。新監督スパレッティの選手配置・起用法がこの上なく上手くハマっていると言えるだろう。ケガから復帰して存在感をアピールしたいデンメやドリース・メルテンスとの化学反応も楽しみになってくる。


スパレッティが語ること

 話はやや変わるが、指揮官のスパレッティは、このコロナ禍においてどのチームも指揮することなく、2年間ものいわゆる「充電期間」を設けてきていた。ピッチ外(というよりも画面越し)からセリエAを眺めることが多かったからだろうか。試合前日会見などで語る場面になると、スパレッティの想い―ファン、スタジアムの雰囲気、そしてナポリの街への情熱―を節々に感じる。第7節フィオレンティーナ戦を控えた前日会見においても、敵地アルテミオ・フランキについて触れつつ、こう述べている。「(アルテミオ・)フランキの雰囲気は素晴らしいものがあり、ディエゴ・アルマンドマラドーナ(スタジアム)のようだ。ナポリヴィオラのファンは共に、我が街を代表するクラブをサポートし、同じ情熱を持っているという点でよく似ている。」5連勝を決めたサンプドリア戦後には、「私はナポリのファンが我々に信じられないほどの愛を示していることをよく知っているが、同じレベルのプレーを続けるためにそれを使用する必要がある。自分たちがやっていることを続け、落ち着いて正しいメンタリティを保つ必要がある。」新シーズンスタート前のキャンプ中にも、「我々はファンの情熱を必要としている。そしてそれに見合ったプレーを見せなければならない。」

 これらの発言を見るに、本音なのかは分からないが、(推測でモノ言うのは気が進まないながらも)ナポリという街のファンの熱量が、このクラブの源であることを理解していないはずがないという印象を受ける。少なくとも、フロント、ファン、選手、監督が一致団結さえしていれば、勢いに乗って進むことができるのが良くも悪くもナポリの特徴。これを理解している指揮官は実際、それにそむかぬ戦力の起用の仕方(控え組にも出番を与えたローテーション)をし、(ヒサイやバカヨコを徴用した)ガットゥーゾとは違うところを見せている。

 今から優勝候補などと言われるのはばかげている。」と、当然の話ではあるが、あくまでもCL出場権内が今季の目標だという姿勢を崩さないスパレッティ。勢いに乗ればどこまでも飛ぶナポリだが、毎回最後の最後で叩き落とされてきているこのチームに落ち着きを求め、引き締めている。インシーニェら昨シーズンの屈辱を味わった大半のメンバーも同じ想い。連勝はいつか止まり、この勢いもどこかで下降線に入るタイミングが確実にやってくる。これまでは戦術、チームマネージメント、結果、全てが上手く回っているナポリだが、地に足を付け、長いシーズンをどう過ごしていくのか、見守っていきたいところだ。

【21-22シーズン】ナポリ 選手紹介

 

f:id:napoli9627:20210902232222j:plain


 昨シーズンは最終節にエラス・ヴェローナ相手にドローで終わり、5位転落という屈辱を味わったナポリ。チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を逃した影響をモロに受け、補強は過去最低規模に留まった。基本的には昨シーズンのメンバーに加えてレンタルバックの選手を中心に戦う今季だが、改めてそのメンツを紹介していこう(写真は全てナポリ公式から)。長いと思うので覚悟して読んでください。

※■国籍/■在籍年数/■昨季の成績を記載

 

 

 

#1 GK アレックス・メレト

lorem ipsum dolor sit■イタリア代表
■4年目
■22試合/0ゴール
EUROでは登録メンバーの中で唯一出番がなかったが、貴重な経験。それをチームに還元し、最後尾からナポリの躍進を支えたい。俊敏な反応、ミスの少ないセービングと、総合力で言えばセリエAでも屈指なはずで、唯一欠けているのは足元の技術。この部分で信頼が揺らぐようなら、虎視眈々と定位置を狙うオスピナの餌食だ。



#2 DF ケヴィン・マルクィ

lorem ipsum dolor sit■モロッコ代表
■4年目
■5試合/0ゴール(フィオレンティーナ
昨シーズンは冬にフィオレンティーナにレンタル移籍をするも、目立った活躍はできず、ナポリにカムバック。膝の靭帯を痛めてから満足に稼働できていないが、今季は右サイドバックの2番手を託された。退団したヒサイの穴を埋めるどころか、得意とする攻撃参加でそれ以上の活躍をし、完全復活を印象付けてほしい。ちなみに、サンテティエンヌ時代はローマのヴェレトゥと同僚。



#4 MF ディエゴ・デンメ

lorem ipsum dolor sit
■ドイツ
■3年目
■24試合/2ゴール
イタリアの血を持ち、マラドーナにちなんだ名前のメディアーノで、自身のアイドルはガットゥーゾと、応援したくなる要素しかない。身長は170㎝で身体能力は正直並でしかないが、戦術眼と機を見た攻め上がりで貴重なゴールを奪うことも。今季はキャンプで膝に怪我を負い出遅れたが、スパレッティは「ダビド・ピサーロのように」と期待をかける。


#5 DF ファン・ジェズス

■ブラジル
■1年目
■5試合/0ゴール(ローマ)
CBの4番手で加入した通称「JJ」。集中力の欠如&やらかし癖を抑えない限り、顔を拝む機会が少なくなりそうだが、その一方で左SBの層の薄さにも対応できる利便性も。スパレッティとの久々の再開で奮起を期待したい。ディ・マルツィオ曰く、ナポリのオファーを「1日で受け入れた」。まあ確かに、あまりにもスムーズだったので年俸とかはそこまで興味がなかったのかな。



#6 DF マリオ・ルイ

lorem ipsum dolor sitポルトガル代表
■5年目
■27試合/0ゴール
このチームで時には愛すべき存在に、時には憎まれる存在になり続けてはや5年。30歳のシーズンを迎える我らがマリオ。守備の軽さと粗雑なプレーの数々は常に批判の対象だが、彼のこのチャーミングな笑顔に比べればなんてことはない。彼が平穏にシーズンを完走できることはつまり、ナポリのCL出場権獲得を後押しする。左SBの補強が見送られた以上、お前がやらなきゃ誰がやる



#7 MF エリーフ・エルマス

lorem ipsum dolor sit
北マケドニア代表
■3年目
■33試合/2ゴール
途中出場ばかり(30試合)のカンピオナートに、失望の出来のEURO。大器と言われる彼にはふさわしくない1年を過ごしたのが昨シーズン。というよりも本当に大器なのか?まだ21歳だが、それが見極められる勝負の3年目。細かなボールタッチは評判だが、局面を打開するプレーに欠ける傾向があり、できれば得点力にまで昇華させたい。実家は洋菓子屋らしい。

 


#8 MF ファビアン・ルイス

lorem ipsum dolor sit■スペイン代表
■4年目
■33試合/3ゴール
EUROでは先発出場がなく、尻すぼみに終わり、9月にはいよいよ代表から落選。ここからもうひと伸びしなければ、代表での地位確立に至らないはず。今季はそういった意味でも重要なシーズンだ。左足でのコントロールショットは一級品で、展開力と一定の守備力も兼備する。どうでもよいが、Instagramの写真を見るかぎり10年くらい前からデコが広いので、実は将来もハゲないタイプなのかもしれない。

 


#9 FW ヴィクター・オシメン

lorem ipsum dolor sit■ナイジェリア代表
■2年目
■24試合/10ゴール
セリエAからルカクがいなくなってもこの男がいる!と言いたくなるレベルで傑出したフィジカルとスピードを持つストライカー。昨季は前半戦こそコロナ感染&怪我で出遅れたが、後半戦はゴールラッシュ。他利的なプレーに加えて、自ら汚れ仕事もこなせるなど、オールラウンダーな一面も。オフシーズンはナポリのユニフォームを着て母国でストリートサッカーに興じるなど、「絶対に良い奴」

 


#11 FW イルビング・ロサーノ

f:id:napoli9627:20210626234938p:plain■メキシコ代表
■3年目
■32試合/11ゴール
前任者のカジェホンがより洗練されたプレーだったのは対照的に、このウィンガーは野性味が溢れている。激しい守備と鋭い縦へのドリブル突破がその象徴だ。それ故怪我のリスクが付きまとうのが難点で、キャンプ前の代表戦でも頭部を負傷。正直システマチックなサッカーをするのには向いていないが、「個」のゴリ押しで突き進める稀有な存在でもある。

 
#12 GK ダヴィデ・マルフェッラ

f:id:napoli9627:20210907210845p:plain■イタリア
■1年目
■2試合/0ゴール(バーリ【セリエC】)

デ・ラウレンティスの息子が会長を務めるセリエCのバーリにレンタルで加わった昨季は、計2試合の出場に留まった。それ故今季は、正直失礼ながら「数合わせ」感が否めない21歳の第3GK。9月の代表ウィーク中のベネヴェント戦では3失点を喫し、経験不足を露呈。現地記事では「満足できない」「ミスが多い」などと厳しい評価が下された。出番がある可能性は限りなく低いのが現状だ。


#13 DF アミール・ラフマニ

lorem ipsum dolor sitコソボ代表
■2年目
■16試合/1ゴール
ナポリ1年目は評価を高めて終えたセンターバック。過去にはヒサイと同時期にアルバニア代表でプレーしていたこともあるが、現在はコソボ代表のキャプテンを務めている。高さには自信を持ち、対人戦は冷静で抜け目ない。CBとしてのポテンシャルはまだ底を見せていないはずで、今季の目標はマノラスからのレギュラー獲りだ。背番号を今季から13に変更した。



#14 FW ドリース・メルテンス

■ベルギー代表
■9年目
■29試合/9ゴール
サッリの下で「偽9番」を任された時ほどのキレは流石に失いつつあるが、それでも一瞬で違いを生み出す能力は健在。クラブ最多得点記録も保持し、まさしくレジェンドである。ミリクの鼻を握り、オシメンとダンスを踊り、ひとりで犬の小便(の真似)をするパフォーマンスを見せてきたが、次は何が飛び出すのだろうか。今季は「偽9番」とトップ下の位置でのスーパーサブ起用が濃厚だ。

 
#20 MF ピオトル・ジエリンスキ

f:id:napoli9627:20210626215620p:plainポーランド代表
■6年目
■36試合/8ゴール
ウディネーゼ時代の同僚ブルーノ・フェルナンデスが「僕よりも上手いね」と口に出すほどの実力者であり、DAZN解説者の細江さんイチオシ。変態的な股抜きや緻密なファーストタッチで敵を置き去りにしたかと思えば、ラストパスの供給、強烈なミドルと何でもできる。ハムシクの後釜としてここまでになるとは…と正直感慨深い。5月にはパパになり、公私ともに順調だ。



#21 FW マッテオ・ポリターノ

lorem ipsum dolor sit■イタリア代表
■3年目
■37試合/9ゴール
燻ぶったインテル時代を忘れ去るかのような成果を収めたのが昨季。カットイン一辺倒のプレースタイルを、後方のディ・ロレンツォの支援を受けて広げることに成功。9ゴールをマークし、新興宗教「ポリターノ教」なるものが日本に伝来したらしい。再度ロサーノとの定位置争いが待ち受けるが、勝手知ったるスパレッティ流をアドバンテージとできるか。



#22 DF ジョヴァンニ・ディ・ロレンツォ

f:id:napoli9627:20210626224206p:plain■イタリア代表
■3年目
■36試合/3ゴール
「鉄人」である。屈強な肉体でイタリア代表のEURO2020制覇に大きく貢献。なんと、昨シーズンの出場試合は60を数え、今シーズンも左右問わずフル稼働を求められている様子。補強がないが故に仕方がないが、ナポリはとんでもないブラック企業である。昇給してやって欲しいという感情面を抜きにしても、正確なクロスや粘り強い守備など、彼ほどの選手にバカヨコとほぼ同額の年俸を支払っていたのは驚きである。



#24 FW ロレンツォ・インシーニェ

lorem ipsum dolor sit
■イタリア代表
■11年目
■35試合/19ゴール
アッズーリの背番号10にして、ナポリのエースにして、現カピターノであるり、新指揮官も全幅の信頼を置く。左45度からのコントロールショットを見せたかと思えば、それを囮に縦への突破も見せる。それを可能にするのは、スピードよりもむしろタイミングだ。昨シーズンは弟ロベルト(ベネヴェント)とのアベック弾が話題に。今季は契約最終年だが、延長は果たして?



#25 GK ダヴィド・オスピナ

lorem ipsum dolor sit
■コロンビア代表
■4年目
■16試合/0ゴール
2007年に代表デビューを飾り、それから14年もの間、国内外でブレずに安定した評価を築くコロンビア代表。代表キャップ数は111(9月1日現在)と同国史上最多。奥様とはSNSで知り合い、6か月もの間やり取りをした後に初めて出会ったそうだが、それは2012年の事。マッチングアプリが流行るこのご時世において、なかなかの先駆者である。



#26 DF カリドゥ・クリバリ

lorem ipsum dolor sit
セネガル代表
■8年目
■26試合/0ゴール
強烈なフィジカルと抜群のスピードを併せ持つとはよく言われるが、それだけではない。優れたパスセンス、副キャプテンを務めるだけのリーダーシップ、ピッチ外での慈善活動など、ティフォージから愛されるだけのモノが数多くある。CL出場権獲得に最も不可欠な存在だ。頻繁に最前線まで「おでかけ」することでナポリサポの間では有名。



#31 DF ファウジ・グラム

Napoli, report allenamento 25 agosto
アルジェリア代表
■9年目
■11試合/0ゴール
長年の間、サイドバックでは唯一ふざけたプレーをしないという貴重な選手であったが、如何せん怪我続きで厳しいキャリアが続いてしまっている。昨季も、全盛期の輝きを見せかけていた矢先に膝を痛めて長期離脱。プレーする機会があれば全力で応援してあげたい。そしてサッカー選手としてのキャリア後半を、幸せなモノにしてほしいと願わずにはいられない。

 

#33 FW アダム・ウナス

lorem ipsum dolor sit
アルジェリア代表
■3年目
■7試合/0ゴール(カリアリ)・15試合/4ゴール(クロトーネ)
サッリが一切使わなかったナポリの秘密兵器がカムバック。クロトーネで株を上昇させ、この夏ナポリは移籍金として€2000万を設定したとも。相手を翻弄するドリブルは一見の価値あり。加えて球離れが見違えるほどよくなり、一躍指揮官の切り札に。アフリカ出身の若手(マシャシュ&ゼダドゥカ)組で仲睦まじい様子だったが、皆移籍してしまったのが少し気がかり。



#37 FW アンドレア・ペターニャ

lorem ipsum dolor sit
■イタリア代表
■2年目
■26試合/4ゴール
ミランユース出身で、ミラノにレストランをオープンしているストライカー。キャンプ前には、「スパレッティの指導を受けられることを誇りに思う」と語り、その指揮官の信頼を受けて残留を決断。頼れる2番手&スーパーサブとして、昨季以上の活躍が求められる中、2節にはいきなり値千金の決勝弾。SPAL在籍時には13ゴールをあげるなど、実力は確か。

 

#44 DF コスタス・マノラス

lorem ipsum dolor sitギリシャ代表
■3年目
■30試合/0ゴール
スパレッティの愛弟子でもある守備の要。激しい守備が魅力だが、言い方を変えれば雑で無駄なファールもあるという事であり、注意が必要。関係ないが、インスタの写真の載せ方も正直雑っぽいので、きっとそういう性格なのだろう。センターバックとしてのスピードと高さは一級品なだけに、そろそろクリバリとの「三十路怪物コンビ」の完成度を求めたい。

 

#58 DF アレッサンドロ・ザノーリ

lorem ipsum dolor sit■イタリア
■1年目
■35試合/1ゴール(レニャーゴ・サルス【セリエC】)
スパレッティが望んで残留させたという若手SB。攻撃面で慎重さが見て取れるが、退団したヒサイよりは縦の推進力があり、指揮官も左右兼用を標榜する。とはいえまずは両サイド共にまずは3番手程度からのスタート。カップ戦からチャンスを窺うことになりそうだ。レアル・マドリーのカルバハルを自身のモデルに挙げている。



#68 MF スタニスラフ・ロボツカ

f:id:napoli9627:20210814184422p:plainスロバキア代表
■3年目
■15試合/0ゴール
昨季はガットゥーゾに冷遇されたスロバキア代表MF。その冷遇っぷりは、第2節終了時で早くも昨季のプレータイムを更新したという事実からも明らかだ。持ち味のスムーズなボール運びも期待したい一方、サイズ的な問題からか、守備面に不安を感じさせる場面も散見。基本的には、格下相手にボールを支配したい時に有効な手札となりそう。

 

#99 MF アンドレ=フランク・ザンボ・アンギサ

f:id:napoli9627:20210905222904j:plainカメルーン代表
■1年目
■36試合/0ゴール(フラム【プレミアリーグ】)
メルカート最終日に念願だった中盤の補強に成功。バカヨコの穴を埋めるというよりも、より攻撃的なキャラクターを持つカメルーン代表。後方からゴリゴリボールを運べる一方で、やや粗雑な守備面が懸念だが、ナポリの他の選手にはない特徴を持っているのも確か。バカヨコっぽい見た目なので不安を感じるが、プレーでそれを払拭してください。

 

監督 ルチアーノ・スパレッティ

f:id:napoli9627:20210907215205p:plain

ローマ、ゼニト、インテルなど、国内外の有力クラブを率いてきた経歴を持つ新指揮官。ボランチの選手に攻撃の組み立て役を任せ、パス回しの円滑化を目論む傾向がある。攻撃の再現性に欠けたガットゥーゾ政権期には不足していた要素だ。欧州カップ戦の経験も豊富で、このところ苦労しているリーグ戦との両立&選手マネジメントの部分でも力を発揮してほしい。

【ひとりごと】 マッジョの行方を気にしています

 

f:id:napoli9627:20191229152714j:plain

クリスティアン・マッジョナポリ公式より)

10年もの間ナポリに在籍したクリスティアン・マッジョ。1か月ほど前に、「radio kiss kiss NAPOLI」のインタビューに応じていたので紹介しよう。自身と同じポジションを務めるジョヴァンニ・ディ・ロレンツォや、将来のナポリ復帰などについて語っている。


「EUROでのディ・ロレンツォの活躍は、私にとっては目新しものではないよ。彼はここ数年で成長し続けてきた。EUROでは2番手からスタートし、彼が出来る仕事を全うし、居場所を確保した。私は彼には長くナポリに残ってほしいと思うね。例え多くのクラブが欲しがったとしてもだ。」

「(ロレンツォ・)インシーニェは自身と素晴らしいテクニックを兼ね備えているし、重大な役割を果たしてるだけではなく、キャプテンとしての重責も担っている。リーダーなんだよ。だからナポリに留まり続けてほしいけど、彼は将来をどうありたいのか考えていかなければならないとも思う。」

ナポリでフロントに?私は常に扉を開いているよ。でも今は、自分のフットボール・キャリアに集中している。引退した時に落ち着いて考えたいね。」

 

ところでこのマッジョだが、現在39歳(冬には40歳になる)。昨季冬にベネヴェントからレッチェに移籍後、継続的にプレーをしていたものの、この夏にフリーで退団。無所属の状態となっている。昨季前半戦にベネヴェントと対戦した時は、未だに元気溌剌とプレーをし、インシーニェとエモーショナルなマッチアップを見せていたが、どこも買い手はないのだろうか。タイミングのいい攻め上がりやフィジカルの強さを観る限りは、まだまだやれそうなだけに、遠く極東から行方を気にしています

この程引退を表明したヴァルテル・ヴィルサのように、フリー(無所属)のまま引退を表明する選手がいるのは、何とも寂しい限りだ。Aの舞台で実力を証明してきた選手達には、最後は華々しくキャリアを終えてほしいものである(…とは言っても、クラブの懐事情や若手優先の姿勢等々、難しいのは甚だ承知してはいるが…)。インタビューにあった、フロントでのナポリ復帰なんて、マッジョにはまだまだ早い。本人がその気ならという注釈付きだが、まだまだできる。

最近ナポリメルカートではあまりいい話を聞かないだけに、せめて旧ナポリ選手の去就だけでもいい話を聞きたいものである。はい、という訳で、CR7加入でまたまた困難に立ち向かうことになったカバーニさんよ、ナポリに戻ってこないかい?

新シーズン開幕間近!ナポリのキーマンは?

 

 昨シーズンは最終節までチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を争いながらも、5位という結果でそれを手放し、屈辱の中で速やかに指揮官交代に踏み切ったナポリ。新たに率いるのは、ローマやインテルでCL出場権を常時確保してきたルチアーノ・スパレッティだ。その実績に文句を唱える者は数少なく、来る新シーズンに期待を膨らませるばかりだが、現実問題としては解決すべき課題はいくつもある。その中でもファン最大の関心事は、依然として進まない新戦力の補強だろう。「関心事」とは言ったものの、その補強関連の噂の少なさから、ファンが関心を示すだけ無駄になりそうという矛盾を抱えたまま、開幕を迎えそうなのは残念で仕方がない。最近では指揮官とクリスティアーノ・ジュントーリSDが口論となったという一報が飛び出すなど、まさにお先真っ暗と言ったところ。これとは別の問題、インテルへの移籍が持ち上がったロレンツォ・インシーニェの契約延長さえ果たせれば、御の字と見ておいた方が良いだろう。



■「右」偏重の解決へ、キーパーソンは?


 ピッチ内に目を向けよう。ジェンナーロ・ガットゥーゾ前指揮官の下では、コレクティブな攻めを構築できずに戦力面では下のチーム相手に星を落とすことが幾度かあった。例えば、サッスオーロにはそのクオリティでもって競り負け、3バックでアグレッシブに戦うエラス・ヴェローナにはピンチの連続で苦戦を招き、最終節では屈辱にまみれた。
 スパレッティは同じ轍を踏まないように、攻撃面の改革に乗り出している。右サイドのジョヴァンニ・ディ・ロレンツォとアタッカーのイルビング・ロサーノ(もしくはマッテオ・ポリターノ)の縦の連携が崩しの肝だった昨季とは異なり、左右両方から、正確なビルドアップをベースに攻めの構築しようと取り組んでいる。守備重視だったエルセイド・ヒサイがフリーで退団したサイドバックには、マリオ・ルイが再びレギュラーの座に返り咲きそうだ。もっとも、当初このポジションの本命は、チェルシーから獲得を狙うエメルソン・パルミエリであったが、前述のとおり補強の見込みはいささか薄い。となると、必然的にマリオ・ルイしかおらず、いわば消極的な選択肢ではあるが、前政権から唯一レギュラーが変わりそうなこのポジション(マリオ・ルイ)こそ、新政権の鍵となりそうだ
 4-3-3(もしくは4-2-3-1)のシステムで挑むことになりそうな今シーズンは、左サイドはこのマリオ・ルイとインシーニェが縦関係を組み、そこにインサイドハーフのピオトル・ジエリンスキが絡むことで構成されそう。マウリツィオ・サッリ政権期から、長きにわたって連携を熟成させてきたこの3名の崩しを繰り返すことができるかが、大きなポイントとなりそうだ。気になるのは、プレシーズンマッチアスコリ戦で幾度か見られた、マリオ・ルイのインナーラップ。これまでになかった攻撃のバリエーションを組み込もうとするスパレッティの意図が見え、新たな武器になりえたる。課題の守備面も含め、このポルトガル人がどこまで安定して力を発揮できるかが、チームの行く末を左右するだろう。

f:id:napoli9627:20210814173607p:plain

練習でアダム・ウナス(右)と競り合うマリオ・ルイ(左)(以下、写真は全てナポリ公式より)


 

■中盤の構成に不可欠となるレジスタ

 スパレッティは、ウディネーゼやローマ時代にダビド・ピサーロを重宝したように、レジスタ的な役回りをする選手を、ボランチの1枚に据え置く傾向がある。「新たなダビド・ピサーロにする」と明言し、当初その役割を与えられようとしていたのはディエゴ・デンメだ。だが、7月末に右膝に重傷を負い、復帰は10月頃となることが明らかになった。そうなると、(補強がなければ)その役割を託せる選手はもう一人しかいなくなる。スタニスラフ・ロボツカだ。

f:id:napoli9627:20210814184422p:plain

アスコリ戦でボールを持ち運ぶロボツカ

 3枚のMFの中央を託せるのは、前指揮官の下では冷遇されていた(ついでに幾分スリムになった)このスロバキア代表しかいないだろう。守備面が不安要素だが、後方からのボールの引き出しに長け、テンポよくパスを捌くことができる彼の技術をもってすれば、一気にナポリの中盤を掌握することも不可能ではない。一方、昨シーズンはダブルボランチの一角として起用され、組み立て役に奔走していたスペイン代表のファビアン・ルイスは、一列前のインサイドハーフとして起用されそう。ミドルシュートバイタルエリアに飛び込む能力など、この位置こそが天職と見込まれる彼に、ロボツカ、ジエリンスキを加えた3枚で、デンメ不在のシーズン序盤を戦うことになる。いわゆる「汗をかく」人材がやや枯渇している中盤のスカッドだが、規律の取られた守備を植え付けさえすれば、後ろのカリドゥ・クリバリらの「個」の力を頼りながら乗り切れるはずだ。とはいえ、EUROでは不完全燃焼に終わったエリーフ・エルマスや、レンタルバックのルカ・パルミエロ、ジャンルカ・ガエターノら、若い力も必要になる。彼らをどう活用しながら、チームの総合力を高められるか。重大な補強がないだけに、指揮官のマネジメント能力に依拠することになりそうだ。

 

■結局はスパレッティ次第だ

 昨シーズンの終わりには、いわゆる「取りこぼし」によって落とした勝ち点を嘆いたナポリ。それはつまり、シーズン序盤から順調に勝ち点を積み重ねることこそが、CLへの最短ルートであることを意味する。前指揮官が難航した攻撃の形作りが重要なポイントになるだろう。そういった観点で、マリオ・ルイとロボツカをキーマンとして挙げたのだが、逆に言えば、ケガで離脱したデンメや補強がない左サイドバックの新戦力の代わりで主力を務める彼らの活躍がなければ、たちまち混乱に陥ることになる
 補強がないが故に、ヨーロッパ・リーグ(EL)との両立を図る上でも、選手層の薄さは最大の不安要素だ。ピッチ上の戦い方だけではなく、シーズンを通したマネジメントも求められるスパレッティだが、前指揮官にはなかったセリエAを戦ってきた経験値や過去の実績でもって、その実績どおりの結果をナポリにもたらすことができるか。

【20-21シーズン】 ナポリ 今季の通信簿

 

EURO2020も終え、「お前の住んでいる地域は今頃フラフープ大流行か」と言わんばかりに今更感が大いに漂う、ナポリの20-21シーズンの各選手評価だ。アッズーリの優勝に大いに盛り上がった筆者、そして皆さんであろうが、このシーズンの悔しさを忘れてはいけない。来季は何が何でもチャンピオンズ・リーグ(CL)圏内に復帰するべく、新指揮官にルチアーノ・スパレッティを呼び寄せた。来季への期待を寄せつつ、今季の反省をするという意味も込めて、以下をご覧になっていただきたい。
それではどうぞ。


※写真は全てナポリ公式より

 

#1 GK アレックス・メレト  6.0

f:id:napoli9627:20201007200322j:plain

足元の不安定さは若干改善されたが、オスピナには及ばない。それでもミスの少ない安定感のあるセービングへの評判は高く、決定機を数多く阻止し、中でもシーズン終盤戦の安定感はEURO参戦にも繋がった。噂によるとオスピナとの二者択一で放出の噂もあるが、この逸材を仮に放出することになれば、それこそ大きな損失。ましてや国内移籍は論外だ。

 

 

#4 MF ディエゴ・デンメ  6.5

lorem ipsum dolor sit自身の名前のルーツとなったディエゴ・マラドーナの死には心を痛め、その前後では小さなケガがいくつかあった。しかし終盤戦にはファビアンの相棒として代えの利かない存在に。指揮官の愛弟子バカヨコからレギュラーを奪い去った。昨季のアンカー起用時に見られた気の利いた守備や繋ぎのパスの安定感はそのままに、バイタルエリアで攻撃に絡む意外性は新発見。間もなく三十路を迎えるが、このMFの活躍は来季も不可欠になりそう。新指揮官にとっての「新たなダビド・ピサーロ」となれるか。

 

 

#5 MF ティエムイエ・バカヨコ  5.0

f:id:napoli9627:20210125215853j:plain

加入当初から不安定さだけが際立つ失望の出来で非難殺到。自身の先発時の勝率が悪かったのは、単なる偶然ではないだろう。簡単なミスでボールを掻っ攫われ、寄せの甘いプレッシャーや集中力の散漫さなど、期待の守備面でもやや裏切った。いずれも貴重だった2つのゴールは評価できるが、それを差し引いてもこの点数が妥当。ナポリへの再レンタルが噂されるも、本人はミラン行きを望んでいる模様。ナポリで姿を見る可能性はほとんどないと言っても良く、次の移籍先での幸運を祈りたい。

 

 

#6 DF マリオ・ルイ  5.5

lorem ipsum dolor sit

ポジションを争ったヒサイに比べると攻撃的で、確かにビルドアップの面では圧倒的に優位に立ち、守備面も以前ほどの雑さはない。しかし指揮官の信頼を最後まで掴めなかったのはマイナス評価。指揮官の戦術上、左からクロスボールを放る本数が減ってしまったのは致し方ないが、それに抗うような攻撃面での確かな質を見せてほしかった。30歳となる来季は、おそらく新ライバルの加入もありそうで、正念場か、はたまた移籍か。トルコ方面から噂が聞こえてくる。

 

 
#7 MF エリーフ・エルマス  5.5

lorem ipsum dolor sit

開幕前に懸念していたとおり、「途中出場の専門家」としてシーズンを終えた。確かにジエリンスキやファビアンの壁は高く、スタメンの機会はままならなかったが、途中出場をしてもインパクトに欠けたのは事実。先発時には悪くない結果を残せていただけに、来季はクラブがレンタルに出すのか、それとも残留させるのか注目だ。どちらにせよ、来季はキャリアを大きく分ける1年になる。EUROを観る限りでは修行が必要そうだが…。パーソナリティ、技術、いずれもまだ高次元には達していない。

 

 

#8 MF ファビアン・ルイス  6.5

lorem ipsum dolor sit

今季はポジションを1列下げ、ボランチとして起用された。ボールの配給役を担うだけではなく、右サイドでの崩しにも携わり、多くの好機を演出。代えの利かない存在として地位を確立し、逆に不在時にその重要性を痛感させられた。相変わらず左足ばかりでボールを持つのが欠点だが、守備面でも好印象。噂によると、資金捻出のために放出もありうるようだ。まだ成長が見込める若さに加え、母国がスペインという事も考えれば、あり得ない話ではない。

 

 

#9 FW ヴィクター・オシメン  6.5

f:id:napoli9627:20210626214838p:plain

セリエA1年目で10ゴールは好成績。だが、クラブ史上最高額の莫大な移籍金をかけたことに加え、自身の失態でコロナに感染するなど、マイナスポイントも目立ち、評価が難しい。彼の爆発がなければCL争いへの参戦は怪しかったことを踏まえ、ピッチ上での結果を優先し、この点数とした。前がかりな相手に対して裏を狙いたい時にはうってつけの人材で、遅攻時の足元の技術も悪くない。シーズン終盤の本領を、来季に繋げられるか。新指揮官のスパレッティがどういう戦術をとるかにもよるだろう。

 

 

#11 FW イルビング・ロサーノ  6.5

lorem ipsum dolor sit

昨シーズンは失望とも評されるような最悪のシーズンを送り、1年足らずで放出候補にも挙げられていたが、開幕戦で評価が一転。2ゴールと好スタートを切り、序盤戦のチームを牽引。スピードを生かした単騎突破は大きな武器となった。後半戦は失速したが、シーズンを通して考えれば期待値を超える働きで、及第点以上は間違いない。良くも悪くも、組織において力を発揮するより個の爆発力に目が行くが、これを更にチームに還元できるように新指揮官が仕立て上げられるのか、3年目の注目ポイントだ。

 

 

#14 FW ドリース・メルテンス  6.5

lorem ipsum dolor sit

シーズン後半戦では流石に年齢を感じさせる場面が増えてきたが、起用法次第ではまだまだトップクラスで働ける。セットプレーのキッカーとしても優れ、トップ下ではアイデア豊富なラストパスの供給も可能。インシーニェやジエリンスキとの連携も相変わらずだ。ケガで出場試合数も減ったとはいえ、9ゴールを記録するなど、契約延長オプションも行使されたのも当然。スーパーサブ起用が増えそうな来季も、健在ぶりが見られるか。

 

 

#19 DF ニコラ・マクシモヴィッチ  5.5

Happy birthday, Maksimovic

昨シーズンの安定感はどこへやら。序盤戦はELを中心に出番が与えられたものの不安定な出来に終止し、シーズン後半はCBの序列4番手に降格。純粋な対人戦は悪くはなかったものの、つまらないパスミスが散見され、評価を落としてしまった。6月末に切れる契約の延長もない様子で、フリーで退団。イタリア国内(特にラツィオ)から引きがあると言われている。チーム古参組なだけに去っていくのは惜しい。

 

 

#20 MF ピオトル・ジエリンスキ  6.5

lorem ipsum dolor sit

数シーズン前に比べて安定感・継続性が増し、トップ下起用も相まって得点能力を開花させてきた。抜群のボールコントロールとパンチ力のあるミドルシュートセリエA屈指で、自身最多のシーズン7ゴール。ハムシクの後継者として文句のない活躍だった。今季と同じトップ下か、それとも本来のインサイドハーフで攻撃のタクトを振るうのか、興味深い選択になりそうだ。移籍が噂されるがナポリにとっては非売品に等しいアンタッチャブルな存在。

 

 

#21 FW マッテオ・ポリターノ  6.5

lorem ipsum dolor sit

ファンからもカットイン一辺倒のプレースタイルだと思われていたが、後ろのディ・ロレンツォのサポートもあって、プレースタイルの幅を広げることに成功。縦への突破からのクロスも武器として身に着けた。ゴール数も二桁に載せるなど充実のシーズンとなり、圧巻だったのはマラドーナ追悼ゲームのローマ戦。5人抜きを披露し、皆を感動させた。(特に何の意味も持たないが、)個人的MIP賞をあげたい1年に。EUROに出ている姿も見たかった。

 

 

#22 DF ジョヴァンニ・ディ・ロレンツォ  7.5

lorem ipsum dolor sit

チーム内シーズンMVPを与えてあげてもいいほどの獅子奮迅の活躍ぶり。ケガすることなく稼働できるタフネスさが最大の魅力だが、それに加えて攻守両面での安定感は群を抜く。意外性のあるドリブルに正確なクロス、カジェホンを彷彿とさせる飛び出し、粘り強い守備…。どれも称賛に値する。今ではアッズーリの常連としてもプレーし、EURO参戦&レギュラーとして出場で更に評価も上昇中。堅実さ故にまだ世界にそこまでバレていないのが唯一にして最大の救い。

 

 
#23 DF エルセイド・ヒサイ  5.5

lorem ipsum dolor sit

例え指揮官の選択に疑問を持たざるを得ないとしても、起用されている以上は結果を残さらなければならない。確かに左サイドバックは本職ではなかったが、ビルドアップでの限界を露呈し、攻撃に関与できない場面が散見。インシーニェとの連携も微妙のままシーズンを終えた。今季終了をもって退団がほぼ確実。右起用時は悪くはなかっただけに、新天地のラツィオではそのポジションで輝いてほしいところだ。

 

 

#24 FW ロレンツォ・インシーニェ  7.0

f:id:napoli9627:20201005214618j:plain

カピターノとしての振る舞いが問われる場面も幾つかあったが、プレーではそれに相応しい働きを見せた。PK込みとはいえ19ゴールは見事。キャリアハイを更新した。ここぞの場面での決定力が備わってきたのは頼もしい限りだが、かつてのような左サイドでの連携を生かした崩しが出来るようになれば、より輝けるはず。EUROではスピナッツォーラやヴェラッティと共にその姿が見られ、より確信めいたモノになった。来シーズンに期待しよう。

 

 

#25 GK ダビド・オスピナ  6.0

f:id:napoli9627:20201005223904j:plain

兎に角怪我が多く、正GKであるはずなのにメレトよりも出場試合数は少ない。評価が難しくなってしまうが、この点数とした。足技の安定感やビッグセーブの頻度など、チームに欠かせぬ戦力であることは間違いない。衰えも見られないため、可能であれば来季も残って欲しいが、チームとしても、このままメレトと二者択一の状態を続けていくわけにも行くまい。フロントの判断次第では退団か。

 

 

#26 DF カリドゥ・クリバリ  6.5

lorem ipsum dolor sit

数年前はフル回転当たり前だったが、流石に歳を重ねて小さな怪我が増えてきた。それでも、抜群のスピードと強烈なフィジカルを駆使した安定感のある守備を披露。それだけではなく、後方からの繋ぎの面では他のCB陣と一線を画するレベル。一流のディフェンダーであることに変わりはない。ナポリへの愛情を常に示すこの選手が欠けるのはチームにとってはあまりにも痛いが、果たしてどうなることやら。ロッカールームにも不可欠な人材だ。

 

 

#31 DF ファウジ・グラム  5.5
Ghoulam visitato dal Professor Mariani a Roma: il recupero prosegue come da programma

怪我に次ぐ怪我。何度も言うが、数年前の彼は間違いなくワールドクラスだった。もうあの頃のプレーを見られないのだろうか。正確な左足のクロスなど、今季は瞬間風速的に往年のプレーを見せてくれたが、靭帯を痛めてすぐさま離脱。カムバックを期待したいが、3度目の大ケガは流石に復帰にも慎重にならざるを得ないだろう。契約は来季で満了だ。

 

 

#33 DF アミル・ラフマニ  6.0

lorem ipsum dolor sitアルビオルの背番号をもらったコソヴォ代表。前半戦は全く出番がなかったものの、主力の怪我とマクシモヴィッチの不調で状況は一変。圧倒的な高さで守備を固めつつ、ビルドアップも悪くない。おまけにセットプレーで点も取れるなど、後半戦はすんなりチームにフィットした。EUROには出場せず、ゆっくり休暇を取ったため、来シーズン開幕から本領を発揮して欲しいところ。

 

 

#37 FW アンドレア・ペターニャ  6.0

lorem ipsum dolor sit

熊みたいな顔と髭をしながら、ポストワークは意外と起用であった。期待を裏切らない得点力でオシメンとメルテンス離脱時の穴を埋めたのも評価に値する。だが、3番手のFWというのは難しい立場だ。継続的に出場機会を与えれば間違いなく仕事はするものの、レギュラーの壁は高い。一方では放出するのは惜しい…。実力が認められているからこそ、獲得に乗り出す国内クラブも少なくないだろう。本人の選択は如何に…。

 

 

#44 DF コスタス・マノラス  6.0

lorem ipsum dolor sit

個の能力なら一級品で、厳しいタックルや自身の裏を狙うFWには負けないスピードでチームを救った。だが、集中力の欠如が時折災いを招き、クリバリとの連携も未だに100%とは言い難く、ガサツな場面が目に付く。4年契約の3年目を迎える来季は、自身のキャリアの行く末を左右する1年となりそうだ。新指揮官がローマ時代に教えを受けたスパレッティなのは幸いか。怪我なくシーズンを送ってほしい。

 

 

#68 MF スタニスラフ・ロボツカ  5.0

f:id:napoli9627:20201005221636j:plain
評価材料に乏しくなるほど出場機会を得られず、昨季の出来から感じられた可能性はどこへやら。ショートパスでリズムを作る役割が重要視されず、ファビアンの広い視野を生かした組み立てに依存したチームの煽りを受けた格好に。コンディションも整わず、選出されたEUROでも出番なし。来季もチームに残るのか微妙な情勢だ。一説によれば、スパレッティは彼を評価しているとのことだが…。

 

 

 

【20-21シーズン】 ナポリの今季を振り返る

 

険しかった20-21シーズンのセリエAが終わった。ナポリは5位でカンピオナートを戦い終え、惜しくもチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権獲得はならず。最後のエラス・ヴェローナ戦でドローに終わり、ユヴェントスに逆転での4位浮上を許す形となってしまった。本当に残念で悔しい結果に終わってしまったが、今回は、そんな20-21シーズンの戦いぶりを振り返ると共に、雑感でも書いていこうと思う次第である。

 

 

■リーノとの別れ

今季、ジェンナーロ・ガットゥーゾ体制が2シーズン目に突入したとはいえ、その前のシーズンでは期待を大幅に裏切る7位という、近年では最悪の順位に終わったナポリ。今振り返ると、その最中にコッパ・イタリア優勝をもたらし、今季は最終盤のCL出場権争いに割り込ませた彼の手腕は評価されて然るべきものだ。ただ、期待が高まれば高まるほど、目標に届かなかった時の評価は得てして下がってしまうものである。詳細は後述しようと思うが、ヨーロッパ・リーグ(EL)敗退後はユヴェントスに敗れたのを除けば無敗で過ごし、あくまで客観的に見ようとすれば、ガットゥーゾに対する期待もさることながら、評価も上がって然るべきだった。だが、ファンというのはそのチームを応援している以上、客観的に物事を見るのは難しいと思う。事実、素晴らしい戦いをしてCLへの期待値は試合ごとに上昇。だが、最後の結果によって、ファンからの評価は墜落した。監督というのは何とも報われない職業だとつくづく思う。

序盤戦は、イルビング・ロサーノやマッテオ・ポリターノといった2年目の選手が、ナポリの環境に慣れ始め、躍動するという嬉しい誤算があった。開幕4連勝を果たし、快調な滑り出しを果たす。ただ、問題となったのは超過密日程だ。ELのラウンド32を戦い終えるまで、9月後半から毎週2試合(代表ウィークを除く)という日程。スーペルコッパやコッパ・イタリアも並行して戦い続け、2月末の時点では、イタリアのチームにおいて最も多くの公式戦を消化したクラブとなった。もちろん徐々に疲労は蓄積し、カンピオナートにおいては中盤戦の失速を招く要因ともなった。

そしてここに、「監督というのは何とも報われない職業」だと僕が思う理由が詰まっているのである。イレギュラー的に開幕が遅れた今シーズンは、ハナからこうなることが予想されていたにも関わらず、特にサイドプレイヤーの補強を怠ったフロントも、責任の一端を担わないといけないはずだ。ウィンガーが3人しかいない前線もさることながら、長年にわたって課題であり続け、信頼のおける選手がいない左SBも補強ポイントとして挙がっていたのを忘れてはいない。

しかしながら、リーノは頑張った。勿論、プレイヤーのくだらないミスや集中力の欠如で勝ち点を落とした試合もあれば、指揮官の交代策が外れたゲームもあった。それでもチームの一体感を失ったようには見えなかったし、CLに向かって歩みを進めるシーズン終盤の団結力は、目を見張るものがあったと思う。他ならぬ、それを引っ張ったのは指揮官だったし、それに付いてきたのは、素晴らしい能力を持った選手達だったのは疑いの余地がない。

f:id:napoli9627:20210605170629p:plain

ナポリを率いて2年目のガットゥーゾナポリ公式より)

 

■岐路に立つフロント

責任の一端をフロントも担うべきだっといったのは、補強ポイントをことごとく見逃し続けたからに他ならない。大事なシーズン中盤の人手不足を解決できる策を、冬のマーケットでも施していたようには見えなかった。終わったことを責めても仕方がないが、上手く立ち回っていたら、あわよくばCLも…とは思わずにはいられないが、選手のミスで勝ち点を落とした試合もあるだけに、誰もかも、責任があるのもまた事実だ

そしてフロントは、ここから先でも責任重大だ。右肩上がりに成長を続けてきたナポリというクラブの行く末は、大きく見れば彼らが握っているわけだが、一つ一つの選択が今後の未来を左右する。新指揮官がルチアーノ・スパレッティに決まったが、どうもマウリツィオ・サッリ後の方向性を未だ明確に示すことができず、「右肩上がり」に陰りが見え始めたクラブのフロントが下した、この判断。吉と出るのか凶と出るのか―。僕はスパレッティについて予備知識がほぼないので、「どうなるか見ていこうじゃないか」とか言う常套句を使うしかない。メルカートも始まってるいる。補強ポイントは数多くあるが、カネが使えなくなってしまったこの夏、どう動くのか。注目だ。繰り返すようだが、一つ一つの決断の積み重ねで、未来は大きく変わる。

 

 

ユヴェントスについて


僕はユヴェントスの事が嫌いだとはっきり明言する。

そんなユヴェントスが、今季は苦しんだ。4位という成績は、彼らにとっては不本意なものであっただろうし、CLもラウンド16で姿を消し、アンドレア・ピルロが指揮官の座を追われ、代わって来季は、マッシミリアーノ・アッレグリが指揮官の座に戻ってくる。戻ってくるのが彼なのはさておき、今季のユヴェントスの出来や苦しみ具合をナポリ的目線で語るならば、全般的に嬉しかったのが表立った感想だ。あれだけの戦力/カネ/強さ、それに過去のイザコザも加わって、「嫌いだ」と明言するのは、何も僕に限った話ではないし、更にはナポリサポーターに限った話でもない。

が、一方で、ユヴェントスが強くないと面白くない」といったやや矛盾したウラの気持ちも少しばかりあるのが本音だ。ユーヴェの後塵を拝し、最終節後には散々煽られ、5位に終わったクラブのいちサポーターのこの意見。他の人はは?と思うかもしれないが、高い夢を見るならば、強いユヴェントスと競い合って、勝利の美酒を味わいたいし(今季ナポリと対戦した時のユヴェントスは、どの試合も強かったけども)、何ならスクデットまで獲りたい。あくまでも夢だ。嫌いだけれども、その強さはリスペクトしてはいる。

とはいってもだ、そのユヴェントスに最終節で逆転されての5位。今でも悔しいし、今後も暫くは癒えぬことだろうし、多分記憶の片隅には留まり続けると思う。

 

 

■改めて:今季のナポリを振り返ろう

f:id:napoli9627:20210605170156p:plain

キャリアハイのゴール数を記録したジエリンスキ。評価も急上昇中だ(ナポリ公式より)


冒頭でも少し触れたが、総合的かつ客観的に見ようとすれば、最終盤までCLを争っての5位という成績は、評価されて然るべき順位だ。確かに、シーズン中盤のゲーム内容の酷さは褒められたものではなかったが。例えば、2-4で敗れたアタランタ戦や1-3でこれまた敗れたヴェローナとのゲームは、チームが抱えるビルドアップの不正確さという課題を露呈し、一時は指揮官解任報道まで出る始末。この時点で解任しなかったフロントは、今思えば英断だったが、やはりシーズン中盤の大切な時期に火に油を注いでいたのもまた事実。会長をはじめとしたフロントがチームに混乱を招く毎度の悪癖はいつになったら治るのだろうか(治らないだろう)。

そんな横槍を喰らいながらも意地をみせた終盤戦。やはり戦力が整えばある程度の強さを持っていることを証明したのは指揮官の手腕による部分も大きかった。それに付いてきたのは選手たちであり、少なくともフロントではない。ヴィクター・オシメンの快足を生かしてカウンターを浴びせれば、遅攻時にも前線を動き回るオシメンを基準に、ピオトル・ジエリンスキやロレンツォ・インシーニェといった選手たちがライン間で絶妙なテクニックを武器に躍動。ともに1シーズンにおけるキャリアハイの得点を記録した。ディフェンス面でも、主力のカリドゥ・クリバリやジョヴァンニ・ディ・ロレンツォを中心に堅い守備ブロックを形成。攻守のバランスでいえば、決して悪いものはなかった。

一方で、終盤戦の火力の高い「勢い」にごまかされてはいるが、ビルドアップの不正確さに改善が見られなかったのも事実。クリバリが不在だとそれがより顕著になり、最終節のヴェローナ戦は、その課題が改善されていないままだったことを露呈した結果となってしまった。個人的な想いだが、最後の1試合によってカンピオナートの明暗が分かれたという事実は確かにあるが、最後の1試合だけでカンピオナートは決まるわけではない。そこに至る過程で取りこぼした勝ち点はなかったのか…?チームの欠点は見落とされていなかったのか…?そして、これまで(少なくともここ数年の)ナポリが「最後の最後には勝てない」という歴史を刻んできたメンタル的な部分…。これらが欠けていたチームを、スパレッティがどのように作り直していくのか、注目したい。

 

 

■最後に:何はともあれ楽しかったよ


5位だ、CLに行けなかった、タイトルもなかった。とはいえナポリは夢を見させてくれる素晴らしいチームだ。ヴェローナ戦直後はがっくりもしたが、2週間以上が経過した今ならこう思う。来シーズン以降もナポリの挑戦は続く。CLに復帰するため、そしてスクデットを獲るため、Forza Napoli Sempre

 

f:id:napoli9627:20210606215229p:plain

来季も皆で応援しよう!(ナポリ公式より)

 余談だが、各選手の採点は暫くたってから公開するのでしばらくお待ちを。

ナポリ、今シーズンの行く末を決める1ヶ月へ

 

今からちょうど3年前のナポリは、マウリツィオ・サッリに率いられ、絶対王者ユヴェントスと熾烈なスクデット争いを繰り広げていた。ダイナミズムと優れた連携を持ち合わせる中盤のタレントに加え、前線にはキャリアのピークを迎えたキレの鋭い3選手。選手、指揮官、ファン、フロント…。全てが上手く回っていたこの頃は、現代のナポリというクラブの物語を語る上でも欠かせぬ1章に違いない。だが、そんな輝かしく希望に満ちていた過去と比較した今のナポリはどうか――。


ジェンナーロ・ガットゥーゾが指揮官に就任したのは、今からおよそ1年前、2020年2月のことだ。カルロ・アンチェロッティの下で、勝利から見放され続けたこの頃、選手、指揮官、ファン、フロントの一体感を失ったナポリは、文字どおり崩壊の危機に瀕していた。連想されるのは「盛者必衰」の4文字。得点もできなければ失点も次々と重ね、早々にスクデット争い、更にはチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権争いからも離脱。アンチェロッティ解任直前のナポリには、かつての「盛者」だった時代の希望は消え失せていた。だがそんな渦中で、新たにやってきた「闘犬ガットゥーゾがチームを救った。攻撃も守備もチグハグだった4-4-2から、守備に規律を植え付けた4-1-4-1(もしくは4-3-3)へ変更後、当初は結果が出なかったが、得てして実を結ぶのは、我慢のその先だ。当時首位に立っていたユヴェントス相手に2-1で勝利を掴む。サッリの下で構築された華やかさは影を潜め、そこにあるのは指揮官の現役時代を彷彿とさせるようなピッチ上の11人。小柄なロレンツォ・インシーニェでさえ、最後尾まで降りてきてディフェンダーと守備ブロックを形成し、ガットゥーゾに憧れたディエゴ・デンメは、走ることを止めない。まさに現実を直視した泥臭さ、というものがそこにはあった。だがそれでも、当時のサン・パオロを画面越しとはいえ、美しい光景だと感じさせるのには充分すぎた。やっているサッカー自体の美しさではない。インシーニェのボレーが決まった瞬間のサン・パオロには、失いかけていた選手、指揮官、ファン、フロント(これに関しては真意は分かりかねるが)の一体感がありありと滲み出ていた。
思い返せば、そのユヴェントス戦だけではない。別の試合でも(これまたユヴェントスとの試合だが)、チームは泥臭く勝利を掴んできたはずだ。昨シーズンのコッパ・イタリアの決勝にしろ、今シーズン「ウノゼロ」で勝利したカンピオナートでの一戦でも同じことだった。特に前者における、会長と指揮官を中心とした優勝後の円陣には、カンピオナートでスクデットを本気で目指していた、かつての一体感を見て取れたはずだ。

 

f:id:napoli9627:20200701225004j:plain

指揮を執るガットゥーゾナポリ公式より)

果たして今シーズン、いよいよ運命を分かつ1ヶ月(ミラン、ローマ、クロトーネ、ユヴェントスサンプドリアインテルラツィオの順)がスタートする。当初はミランとローマの間にあったユヴェントス戦の延期で、試練の3連戦はなくなった。だが今後1ヶ月、厳しい対戦相手が続くのには変わりない。それでも、その一体感と共に戦うことができるだろうか?後押しするファンはスタジアムに居なければ、ついこの間までは指揮官の去就問題でクラブは揺らぎ、ピッチ上のパフォーマンスにはびこっていたのは失望ばかり。結果の不甲斐なさからか、ここ最近では緘口令も敷かれている…。「盛者」を経験したクラブはピッチ内外共に、まだ衰退を続けるのか――?
いや、更に上を極めるための1つの躓きだと、そう捉えたい。ネガティブな事情だけではなく、明るい兆しが見えつつあるのは確かだ。
「我々が落ち込んでいなければ、そうだ、まだ17ゲーム(※)も残っている。多くのポイントを手にできるはずだ。何か月もまともにトレーニングができていなかった。回復に集中する必要があるんだ。」(※3月11日時点で残りは13試合)
ヨーロッパ・リーグ(EL)のグラナダ戦後にこう答えたのはガットゥーゾ張本人。セリエAの中でもで最も多くの試合をこなしてきたナポリの選手達に、疲労が溜まっていたのは確かだ。不幸中の幸いか、EL敗退により充分な休息を得て試合に臨むことができるのはポジティブな要素。それだけではない。ドリース・メルテンスやイルビング・ロサーノをはじめとした怪我人の回復、戦術的なトレーニングの充実と、カンピオナートを戦い抜くための準備は整っている。

 

f:id:napoli9627:20201005214610j:plain

復帰間近のロサーノ(ナポリ公式より)

重要なのは、このポジティブ、又はネガティブな要素、どちらを味方に付けられるかだ。経営陣との不和が囁かれ、自身のクビを懸念する声も聞こえるが、ガットゥーゾも諦めていなければ、選手もまたそれに付いてきており、今こそ一体感を見せる時に他ならない。この試練の1ヶ月は、ナポリというクラブが再び「盛者」への道を歩み直すための起点にしなければならないゲームだ。
「我々はチャンピオンズ・リーグ(CL)に復帰しなければならない」
ガットゥーゾは今季、しきりにこう語っている。カンピオナートでは今シーズン既に8敗も喫してはいるが、幸いにも、上位との差は大きくない(3月11日現在、4位ローマとは3pt差)。現実的にはこの1ヶ月の7試合で5試合程度に勝てれば、CL出場権争いの中心に割って入ることができるのではないだろうか。ナポリの真価が問われると共に、運命を分ける1ヶ月。もう間もなくだ。

ナポリ・プリマヴェーラを調べてみた Vol.01

 

先のフィオレンティーナ戦で、アントニオ・チョッフィ(Antonio Cioffi)ナポリのトップチームでデビューを果たした。チョッフィは下部組織、いわゆるプリマヴェーラ出身だ。プリマヴェーラとは、日本語で「春」を意味する。文字どおり新芽が成長していく時期ということであり、ナポリのみならずイタリアサッカー界においては、この組織で多くの若手が育まれる。

 

チョッフィは2002年生まれで現在18歳。いちばん早くにトップチームに呼ばれてたことからも、恐らくプリマヴェーラの中では有望な若手であることには間違いない。今回の記事では、プリマヴェーラについて書く「第一弾」として、このチョッフィを中心に、僅かばかりではあるが触れていこうと思う。

ただし、「第二弾」以降があるかどうかは、筆者のやる気と気力とモチベーション次第であるのでご了承を。

 

 

■育成責任者を務めるのはこの男

 

ナポリの育成組織(下部組織)において、責任者を務めるのはこの男だ。

f:id:napoli9627:20210203222240j:plain

背番号2を背負っていた偉大なプレイヤーだ(ナポリ公式より)

お分かりの方は居るだろうか?そもそも顔が正面から映ってないので、「誰なんだこれは」状態だが、左腕にキャプテンマークを巻いている。正式なカピターノは、この時代ではパオロ・カンナヴァーロだったが、写真の彼は当時のセカンド・キャプテン。ジャンルカ・グラーヴァだ。イタリア下部リーグのクラブを転々とした後、破産後のナポリに加わったのが2005年1月。セリエC1からセリエAの舞台へと歩を進める間、チームを支え続けた選手である。30代にして初のセリエAやチャンピオンズ・リーグ(CL)の舞台を踏んだ苦労人でもある彼は、ナポリというクラブの中で、尊敬を集める人物の1人と言っても過言ではない。あの気難しいアウレリオ・デ・ラウレンティス会長とも関係も良好だ。

 

 

■チョッフィについて語るグラーヴァ

 

グラーヴァはナポリの下部組織上がりのチョッフィがトップチームデビューを果たしたことについて、『Radio Kiss Kiss』で次のように語っている。

 

「ファーストチームで若い選手たちがデビューを果たすのは、最も喜ばしいことだ。この名誉は、チョッフィの成長に貢献した全てのスタッフに与えられるだろう。我々には大きな情熱がある。毎日情熱を持ってピッチ上で仕事をしてるのさ。ファーストチームでプレーすることは、練習の強度が増すと言うことだ。それはつまり、早く成長できるということでもある。」

 

「アントニオ(チョッフィのファーストネーム)?彼は技術的な資質を備えているし、トレーニングにも情熱をもって取り組む選手だ。だが、頭脳も重要だ。選手のキャリアにおいて、7割は頭なんだ。」

 

「チョッフィは2013年から我々と一緒にいて、彼のセリエAデビューは、彼の成長に貢献した多くの人達と分かち合うべきものだ。」

 

「私たちは、トップチームの練習に参加するプリマヴェーラの選手たちとよく話すようにしてるし、成長も見ている。指揮官のガットゥーゾは、皆を平等に扱う人だ。若手にとっては大きなアドバンテージでもあり、更には彼らは、いつも励ましてくれる(カリドゥ・)クリバリ、(ファウジ・)グラム、(ロレンツォ・)インシーニェらのようなプレイヤーとの会話もすることが出来る。精神的にもチョッフィは好きな選手だよ。礼儀正しく素直だ。」

 

グラーヴァはこう述べてとおり、やはりチョッフィには大きな期待が掛かっているようだ。

チョッフィはもともとグラーヴァが発掘してきた選手だと言われており、2013年に加入以降、カテゴリーを上げながらも順調に成長。18-19シーズンには、U-17のカテゴリーでリーグ戦24試合で14ゴールを記録するなど、目覚ましい活躍も披露。左のウィングが主戦場と、トップチームのキャプテン、ロレンツォ・インシーニェの後を継ぐ一人とも目されている。

 

 

■苦戦するプリマヴェーラ、現在の順位を見る

 

(2月25日現在、)ナポリプリマヴェーラは現在8位に位置している。と言っても、これは1部での順位ではなく、2部(Primavera 2B)での順位であり、リーグ戦の構成は12チーム(2部は北部(A)と南部(B)の2リーグ構成となっているため、チーム数は少なくなっている)という中。試合数は最も多いチームより2試合少なく、更にはトップチームに選手が抜かれていってしまっている状況ではあるものの、(人によって見方は変わるだろうが)正直微妙な順位だと言えるのではないだろうか。2試合消化の多い首位ペスカーラとは13ポイント差と、追いすがるには厳しい位置にいる。ここまで3勝2分3敗と、セリエAで上位を争うチームの下部組織としては、物足りない結果だ(尚、念のために触れておくと、1部での首位はローマ、2位はユヴェントス)。直近のゲームでも、ペスカーラに敗れ、順位を上げられず。逆に、勝利したペスカーラは先にも触れた通り首位に浮上した。

苦戦するU-19のチーム。ここで、現在の指揮官について触れておきたいが、その前に、昨シーズンまでの指揮官についても触れておかねばなるまい。それが彼、ロベルト・バローニオである。

f:id:napoli9627:20210215212232j:plain

真ん中はアンドレア・ピルロtuttojuve24.itより)

彼と言っても、この3名の内誰なのか?真ん中がご存知ピルロなら、元ナポリU-19の指揮官は写真の右側の人物、ロベルト・バローニオだ。バローニオは、ブレシアラツィオなど、国内のクラブを転々とした後、指導者キャリアをスタート。現在はユヴェントスコーチングスタッフとして働いているが、言うまでもなく、彼がナポリU-19のチームを混迷に巻き込んだ張本人である(と敢えて言いたい)。

ナポリU-19経由で、その後ユヴェントスに行ったのだから、敢えてここでは、雇い主のフロント陣営の失態は無視をする。バローニオ率いるU-19での成績は残念なモノだった。18-19シーズンこそ10位という中位で終わったモノの、翌シーズンは成績が振るわず1月に解任。奇しくもトップチームの指揮官交代と時期と完全に重なっているが、トップチームとは異なりそこから立て直すことができなかったナポリU-19は結局2部へと降格をした。

そして、現在指揮を執るのが、エマヌエル・カッショーネ知名度の高さではバローニオに劣る、過去はプロヴィンチャを転々としてきたキャリアを持つ、37歳だ。主に3バックを採用するカッショーネの下で、ナポリU-19は先にも述べたとおり、2部で(最多で2試合少ない中)8位。カッショーネ自身も「戻るべき位置に戻らないといけない」と語るとおり、1部に復帰することを目標に戦っている最中だ。

f:id:napoli9627:20210224222349j:plain

カッショーネ(Transfermarktより)

37歳という年齢からも分かるとおり、コーチングキャリアは非常に浅く、過去に指揮したのは1チームのみ。どうやら過去に彼の父親がナポリコーチングスタッフだった経緯もあって、U-19を指揮することになっているようだが、果たしてこの選択がどう出るか。

 

 

プリマヴェーラに注目してみよう

さて、この企画の最後にはなるが、プリマヴェーラのハイライトを観るのもなかなか面白い。フルマッチはなかなか見れないが、YouTubeなどにはプリマヴェーラの試合が上がっている。例えば、ジュゼッペ・ダゴスティーノ(Giuseppe D’agosutino)は切れのあるドリブルを見せる攻撃的なプレイヤーで、今はチョッフィと共にトップチームに呼ばれているが、これからが楽しみだと思わせてくれる選手だ。トップチーム昇格を夢見て奮闘する下部組織の有望株を見つけ出し、そのキャリアを追ってみるのも面白いかもしれない。もっとも、ナポリは下部組織上がりの選手が極端に少ないのが悩みではあるが…。
もし次回プリマヴェーラについて書く時が来れば、下部組織上がりの選手がどれだけ少ないのか、調べてみようと思う。だが、イタリア語ができないので果たして次の機会はあるや否や…。

「ナポリらしいお付き合い」だが「らしくない内容」…ガットゥーゾが敗戦の弁

 

前半戦の折り返し(ユヴェントス戦は未消化)となる難敵エラス・ヴェローナとのゲームで、1-3と痛恨の敗戦。今季6敗目を喫した。18試合で1/3を黒星で終える計算であり、このような結果では、とてもじゃないが「スクデット」という言葉を口にすることすら上位勢に失礼だ。チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権すら目の前から遠ざかりつつある。

 

内容に目を移してみると…、とてもじゃないが誉められたものではない。指揮官のジェンナーロ・ガットゥーゾは、ヴェローナ戦後の『Sky』のインタビューに対して次のように述べた。

 

「(ヴィクター・)オシメンと(ドリース・)メルテンスが戻ってきて嬉しいよ。今日はそこまで良くなかったが、それも普通の事だ。長い間プレーしてなかったんだからね。だが、チームとしては精神的に相手にいつも優位に立たせすぎだ。まるでプレゼントを贈っているかのようだ。」

 

「決断は監督がするものだ。だから勝てなければ私の責任となる。正しいゲームプランを持ちながらも自分達の手で難しくしてしまった。前半はほぼ思い通りにプレーでき、追加点を奪って試合を決めるチャンスもあったがモノにできなかった。後半はミスをし過ぎた。」

 

2点目を決めたアントニン・バラクに対してペナルティエリア深くまでの侵入を許したティエムイエ・バカヨコだが、元はと言えば彼の縦へのパスがインターセプトされたのがきっかけだ。

「2失点目?4対4の状況でボールを失った。それも相手が前向きの状況でだ。結果、相手にカウンターを許すこととなってしまった。今日のゲームではいつもとスタイルを変え、(マンツーマンで戦うヴェローナに対し、)あまり縦パスを打ち込まないように求めていた。だが、それを行った時に結果的にカウンターを浴びて失点する羽目となった。」

 

「今はシステムについて語るときではない。どうピッチをカバーし、どう点を決めるか、というところだ。」

 

f:id:napoli9627:20210125215853j:plain

 

このように述べた指揮官だが、だんだんと彼の周囲も騒がしくなってきた。自分達より下の順位の(対戦相手とそのファンには申し訳ないが、勝利を求められる)トリノ、スペツィア、ウディネーゼヴェローナ戦において、苦戦続きで内容も芳しくない。上位勢との対戦がなかったここ6試合で、3勝1分2敗。はっきり言って物足りない結果だ。

 

順位表の一番上を争うミラノ勢にお付き合いする「ナポリらしさ」を発揮した、といえばそれまでだが、内容は全くもって「ナポリらしさ」の欠片もないスペシャルな連携を誇り、まだその面々(ピオトル・ジエリンスキ、マリオ・ルイ、ファウジ・グラム、ロレンツォ・インシーニェ)が一応は残っている左サイドはどうしてしまったのだろうか?今やナポリの希望が、独力のスピード突破を狙う、右のイルビング・ロサーノぐらいとなってしまったのは悲しい事だ。

 

決めきれない場面が目立つ(それこそスペツィア戦のような)展開であれば、「らしさ全開」で済ませられるが、今回の一戦は(ロサーノ頼りで)全くもってそうではなかった。

もはや「ナポリらしい」お付き合い、の言葉では済まされない内容に加え、精神的な部分のせいにする恒例の展開には嫌気が差してくる。

 

さて、未消化分があるとはいえ、この低調ぶりでは今後のカンピオナートの展開が心配だ。ラファエル・ベニテスの名前もちらほら囁かれるが、ここで解任に踏み切るのにはまだ早いだろうし、流石のデ・ラウレンティスでもそうはしないだろう。先のインタビューでは、「一丸となって取り組む」とも述べていた指揮官。精神面だけではない。崩れかけている内容面の再構築も求められる後半戦で、挽回はできるのだろうか、要注目だ。