ナポリからのGIFT

少しでもナポリに興味を持つ人が増えれば、と思い、書いています。ただ、稀にプライベートの事も。

リーグ戦で7試合白星のないナポリ、やはり鍵を握るのは指揮官か

 

セリエA第15節、アウェーのウディネーゼとの一戦で、ナポリはまたしても白星を勝ち取ることができなかった。これでカンピオナートは7試合勝ち星から遠ざかり、はっきり言って当初目標としていたスクデットなど、今思えば滑稽中の滑稽。それどころかチャンピオンズ・リーグ(CL)の出場権さえも、いまだ折り返し地点にも来ていないこの段階で雲行きの怪しい状況に追い込まれている。1試合未消化のカリアリ次第ではあるが、早くもCL圏内の4位ローマとは8ポイント差。

 

カルロ・アンチェロッティのチームは未だに攻撃面で明確な形を定め切れておらず、ナポリ公式Instagramの投稿には、「ancelotti out」の文字が並ぶ始末。

 

ウディネーゼ戦でチームに勝ち点1をもたらす得点を決めたピオトル・ジエリンスキは、次のように語った。

 

「我々は今日の後半のようなパフォーマンスを継続しなければならない。今日の僕のゴールは今シーズン初で、決められて嬉しかった。試合に勝つことができなかったのは残念だったが、後半には良いサッカーをすることができた。」

 

確かに後半のゲーム展開は、前半に比べてポジティブなものであったし、いくつかゴールマウスの枠を捉えるシュートを放ったのも事実だ。フェルナンド・ジョレンテというターゲットマンをボックス内に陣取らせたことによって、クロスの脅威が増したのは間違いないし、それを囮に、右の大外からジョヴァンニ・ディ・ロレンツォが相手の背後を狙う動きも見せ、決定機を作りかけたシーンもあった。

だが、やはり攻撃面での明確な形が見えてこない。

 

前半に見られた形は以下の2つだろう。

①カリドゥ・クリバリのフィードにイルビング・ロサーノが裏へ抜け出す

②大外を攻略して、左のマリオ・ルイからの(可能性を感じない)クロスボール

 

補足しておくが②に関しては別にマリオ・ルイが悪いわけではない。大外というゴールからもかなり離れた位置からのハイボールでは、競り合える人間がボックス内には皆無だからだ(ボックス内はロサーノとメルテンスしかいない)。

①に関しても、裏に抜け出すロサーノには相手DFのマークがピッタリ付いているため、シュートになかなか持ち込めない。結局キープするのが精一杯で、果たしてこれをやるために彼をナポリに招き入れたのか?大いに疑問だ。

2つの攻撃パターン以上のモノは全く見られず、前半は6割以上のポゼッションを記録したのにも関わらず、シュート数は3本。枠内は0。

 

ブロックを固められた相手に対しても崩しようがなく、CLで見せたリヴァプール戦のような、引いて守る展開でのカウンターでしか(そこそこの)威力を見せられなくなてしまった現チーム。アンチェロッティの罪はあまりにも大きいというのが僕の見解だ。

なにせタレントだけで言えば、昨シーズンからは大いにアップしてるのだから。主力でまともな放出はラウール・アルビオル(→ビシャレアル)のみで、バックアッパーだったシモーネ・ヴェルディ(→トリノ)やアマドゥ・ディアワラ(→ローマ)も手放したが、逆に加わったメンツは言うまでもなく高額な移籍金を要した面々。言い訳もしようがないはずだ。

ウディネーゼ戦の前半でも、本来ライン間でボールを受けて攻撃を仕掛けなければならないロレンツォ・インシーニェにボールは渡らず、下がってくるドリース・メルテンスも同じ。マウリツィオ・サッリ時代に見られた抜群のコンビネーションも、今は昔。過去に置き去りにされてしまっている。

ウディネーゼ戦に限った話ではない。ゲンク、カリアリトリノ、SPAL、アタランタ、ローマ、ボローニャ。これらすべてのチームとの戦いにおいて同じことが言える。

 

ジエリンスキは、先の発言に続いて、以下のように語っている。

 

「今は素晴らしい瞬間を過ごしているわけではない。フットボールには難しい時もあるが、我々は素晴らしいグループだから乗り越えていきたい。今は火曜日の試合(ゲンク戦)に集中している。ビッグマッチで、CLのノックアウトステージに進むチャンスが手中にあるのだから、過ちを犯すわけにはいかない。」(以上全てナポリ公式より)

 

後半のような、いわば特攻状態にならなければ決定機を作り出せないのであれば、それも問題。カウンターのリスクが付きまとう。前半のように戦術(①と②)を忠実に遂行しようにも、相手の壁には及ばない。

ピッチ内もそうだが、周囲のマスコミの喧騒や一部フロントからの圧力(?)も相まって、今や八方塞がりのナポリ。この状況を乗り越えるには、あまりにも厳しい状況が続いてしまっているように見える。

ジエリンスキが語るCLは、その状況を好転させる小さな希望でもある。ラウンド16に進めばいいというものではない。サポーターを安心させるような内容、周囲の声を黙らせる結果。これらを見せつけた上で次のラウンドに進むことができれば、少しばかり明るい材料がチームにもたらされるはずだ。

 

逆に、ここで敗退を余儀なくされるようでは、アンチェロッティの首も、相当怪しいものになってくる。百戦錬磨の彼が、この窮地において何を示すことができるのか。八方塞がりの状況を唯一解決できるのは、ピッチ内で起こすアクションと結果だけだろう。それを指揮できる彼こそ、ナポリの命運を握る唯一の人物だ。

 

望むべくしてこんな状況になった訳でもないし、当初の期待値から考えてこんなことを言うのは全くもって残念ではあるのだが、何とかしてくれ、お願いだ、アンチェロッティ

 

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ウディネーゼ戦でのアンチェロッティ