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Forza Napoli Sempre !

ELで散ったナポリ、果たして明るい未来はあるのか?


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1stレグを敵地で0-2の敗戦で終えたヨーロッパ・リーグ(EL)の準々決勝。

対戦相手はイングランドの強豪アーセナル

リターンマッチとなる2ndレグ。ナポリはホームでアーセナルに、アウェーゴールを許さずに2点差以上(2点差なら延長へ)をつけることが求められた。

 

ホームとはいえ、相手は強豪。難度の高いミッションをクリアするには自分達の実力を最大限に発揮する必要がある。

 

だが結果を言ってしまえば、それは発揮できぬまま90分が過ぎ去った。

 

 

 

■スターティング・メンバー

 

この大一番でカルロ・アンチェロッティ監督が選んだスタメンはこちら。


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1stレグと大きく異なる点は、右サイドバックにニコラ・マクシモヴィッチを入れて実質的な3バックで戦う点。それに、ファビアン・ルイスとピオトル・ジエリンスキの位置を変えた点にある。

また、最前線にはアルカディウシュ・ミリク、左サイドバックにはファウジ・グラムが入った。

 

 

 

■サッリの遺産は消えたのか?

 

ナポリといえば、最後尾から繋ぎ、細かなパス回しで相手を崩すスタイルのチームと思われているが、これは言わずもがな、現チェルシー監督のマウリツィオ・サッリによって植え付けられたものだ。

だがこの試合、いやアーセナルとの2試合を通して言えることだが、そのサッカーはもう失われつつあると言っても良いかもしれない。

 

1stレグは前からのプレッシャーに耐えかねた裏へのパスが目立ち、オフサイドにかかるシーンが散見された。また、後ろから繋いでもボランチのラインで引っ掛かり、ボールをかっさわれる場面も見られた。実際、ファビア・ルイスがボールを失って、そのままルーカス・トレイラに得点を決められている(正確にはカリドゥ・クリバリのオウンゴール)。

 

そして2ndレグ。この日のポイントは最前線にはミリクがいることだった。多少ラフなボールでも競り合いには持ち込める。ポストプレーでタメを作り、全体を押し上げるという考えは間違いではなかったと思っている。

それでもアーセナルの前からの素早いプレスにやはり苦しみ、ビルドアップにミスが見られたり、ミリクにまでパスが届いても、そのボールに正確性を欠いたりと、1stレグほどではないが、組み立てに苦労した。

トランジションの速さやカウンター時の迫力は素晴らしく、1stレグの結果を覆すという闘志も感じ取れたが、ハイプレスを前に裏にボールを放り込む場面も多く、1stレグと同様にオフサイドを重ねた。勿論相手がハイラインを敷いてきたからではあるが、工夫に欠けたという印象も否めない。

 

 

ハイプレスに対して臆することなくボールを回したのがサッリのサッカーだった。勿論それが防がれる場面もあったのは確かだが、2試合を通して裏へのボールが目立ったこのアーセナル戦での展開に、サッリ・ボールを少なからず恋しく思ったのは僕だけではないはずだ。

 

 

それでだ、果たして今のナポリの姿で、今後明るい未来を描くことはできるのだろうか?

 

指揮官アンチェロッティが果たすべき役目は非常に大きい。

 

もともとナポリというクラブにはビッグクラブと張り合えるだけの資金力は持っていないに等しい。国内ならユヴェントスはおろか、近年低迷が続いてきたミラノ勢にも劣る。そんな中でも昨年は優勝にあと一歩まで迫った。サッリがとったのは確かにパスサッカーではあったが、大きな視点で見れば徹底したグループ戦術だったともいえる。もともとカネがないのだから、タレントの質、並びに選手層では間違いなくビッグクラブには劣るからこそのそれだともいえる。個の力には組織で対抗しようではないが、それで強豪と渡り合おうとしたのは、サッリや選手がそういう意識だったかどうかはさておき、間違いではないだろう。

 

だが事実として、それでもタイトルは取れなかった。組織で対抗するのが間違いではなくてもサッリは「100点満点」の正解を叩き出すことはできなかったのだ。

だからこそ連れてきたのが百戦錬磨のアンチェロッティだ。

彼もまた、100点満点に僅かに及ばぬ結果を修正しようと躍起になり、シーズン序盤戦は見事な結果を残したと言っても良いだろう(チャンピオンズ・リーグは惜しかったが)。

 

だがその修正が至るところに及んだのか、これとも時間の経過がグループ戦術の色を薄めさせたのか、敢えて厳しく書くが、結果・内容共にシーズン後半に進むにつれて悪化した

サッリが作ったサッカーは消えつつある。

 

 

 

■産みの苦しみ、今こそ耐えるとき

 

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だが、アンチェロッティが進める改革も今は我慢の時だ。彼が就任してまだ1年も経っていない。サッリ色は薄まりつつあるが、それでもまだチームのアイデンティティとして、パスサッカーという色は残っている。これを彼がどう脚色し、変化を加えていくのか、来シーズン以降に期待しようではないか。

もともとアンチェロッティは、サッリのような尖った戦術を持たないタイプだ。良く言えば柔軟な指揮官。臨機応変な対応が出来る。

 

先程、「アンチェロッティが果たすべき役割は非常に大きい」と触れたが、その通りだ。徹底したパスサッカー、グループ戦術を解体しつつある中では、それを補う形でどのような戦術を組むかが肝になってくると思う。

現段階では、それを模索している最中だ。

 

だからこそ、今は耐えなければならない。耐える時だ。応援する身としても苦しく、このような状況はサッリ時代にはなかなか訪れなかった。しかし、こういう時にこそ僕らも我慢が必要だし、応援しなければならない。

 

 

 

■最大のポイントは?


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模索が続く中、やはり最大のポイントはこの男をどこのポジションに置くかだろう。

 

写真にもある、ロレンツォ・インシーニェ

 

彼は今苦しんでいるが、アンチェロッティの4-4-2に最適なポジションが存在していないことも影響している。

ナポリ生え抜きの選手でもあり、本来ならばマレク・ハムシクに代わってチームを引っ張らなければならない彼のポジション次第で、チームの行く末も変わってくる。それだけの能力がある選手だと僕は思っている。

 

ただ、シーズン前半は4-4-2のツートップの一角でもそれなりに機能していた。得点も二桁近く稼ぎ、やはりその能力には流石だと思わされたのも確かだ。

だが、彼の得意とするプレーは左のウィングに入った時の、斜め45度でのパス、シュート、ドリブルにある。サッリ時代には、彼がそこでボールを持ったときのホセ・カジェホンへの極上のパスには何度も感嘆したものだ。

 

アンチェロッティが彼をどういった選手として見なしているのか、例えばスコアラーなのか、チャンスを作る選手なのか、はたまた自由に動かせておきたい選手なのか、僕には分からないが、とにもかくにも彼が活躍すれば間違いなくチーム、そしてファン達はノッてくるのが事実だ。

だからこそ、インシーニェのポジション(に加えてカピターノとして相応しいか)を含め、アンチェロッティには最適解を導き出してほしい。

 

 

 

■最後に

 

今朝のアタランタ戦でも破れたナポリだが、CLに参戦することには濃厚で、目標を見失っているように見える。

だが、こんな戦いを続けているようではファンも離れ、選手も去ってしまうかもしれない。

だからこそ、残り試合は戦力で戦って全勝を目指してほしいところだ。

 

 


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