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Forza Napoli Sempre !

ハムシクの偉大な記録に思うこと


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マレク・ハムシクナポリでの通算出場試合数をUEFAチャンピオンズリーグ第4節・パリ・サンジェルマン(PSG)戦で517とし、クラブの最多記録を更新した。

 

僕がナポリの試合を見始めた頃に所属していたのは、そのPSG戦で対戦相手として出てきたエディンソン・カバーニや、好きな選手のひとりであるギョクハン・インレルパオロ・カンナヴァーロモルガン・デ・サンクティスらが所属していた頃だ。丁度ワルテル・マッツァーリの元で久方ぶりに欧州CLに出場していた頃と重なる(とはいえ、その前年も同じようなメンバーが所属していたので、その頃から応援はしていた)。2011-12シーズンの事なので、7年ほど前ということになる。ちなみに下の写真も7年前のホームでのCLチェルシー戦のもの。懐かしい反面、時間の流れというものは恐ろしいと感じさせられる。


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僕がナポリを見始めた頃から残っている唯一の選手が、今回の記事の主役となるハムシクであるのだが、何故ここまでの偉大な記録を残すことができたのか、見ていきたい。

 

 

ナポリと共に歩むハムシク

 

ハムシクナポリに加入したのは2007年のことだ。当然この頃はまだ僕自身、欧州サッカーにも目覚めていない頃であり、以下は単に調べた情報を載せるだけとなる部分もあるのをご了承頂きたい。

 

ブレッシアからナポリに加入したのハムシクだが、その頃のナポリは、まだクラブ破産後に久しぶりにセリエAの舞台で戦うような、分かりやすく言えば(おそらく)今のパルマに近い境遇のチームだった。

そんな中で当時20歳のハムシクはチームを牽引し、昇格初年度でチームを8位に「躍進」させる原動力となった。

 

その後、少しスキップして、2010-11シーズンからマッツァーリの元でのトリデンテ時代が来る(ちなみにマッツァーリは前年度の10月からナポリ指揮官の座にいた)。

トリデンテとはファンならお馴染み、カバーニエセキエル・ラベッシハムシクの3人が組むユニットの事だ。

ハムシクマッツァーリの元、セカンドトップ的な振る舞いをして躍動。抜群のタイミングでの2列目からの飛び出しを武器に、MFながらもコンスタントにシーズン10点前後の点を取れる選手として名を上げた(余談だが、そういう飛び出しを武器に得点を稼ぐ中盤のプレイヤーの希少価値はかなり高いような気がする)。

また、この頃には(あくまで僕の印象だが)ナポリというチーム自体も安定して上位に顔を出せるチームになってきていた。まだインテルミランがかつての強さを持っていた時代ではあったが、欧州カップ戦(CL・EL)にも出場することができるだけのチーム力が備わってきた段階だ。

 

その後、ベニテス、サッリ、アンチェロッティと、3人の監督が続く訳だが、その過程の中でハムシクに求められる役割も変わっていった。

マッツァーリからベニテスに変わったタイミングでは、堅守速攻からポジション寄りのスタイルに変化していった中でトップ下の役割を任された(時々ドイスボランチの一角をやらされてもいたが)。

サッリの元ではインサイドハーフとしての新境地を開拓した。かつてのような飛び出しを随所にみせつつも、相手の2ライン間(DFとMFの列の間)での絶妙なポジション取りやDFライン近くまで降りてきてのビルドアップの手助けなどをこなした。

そして今、アンチェロッティの元では中盤センター、2ボランチの一角を任されている。

 

 

異なる役割に適応するハムシク

 

こう見ると、セカンドトップ(マッツァーリ期)→トップ下(ベニテス期)→インサイドハーフ(サッリ期)→ボランチ(アンチェロッティ期)と、徐々にポジションを下げていることが分かる。

僕自身、あまりハムシクに器用な印象はないのだが、年齢を重ねるなかでここまで多くのポジションにフィットしてきたのは驚異的だと思う。といっても「器用な印象はない」というのは、マッツァーリ政権時代のハムシクを見ていると、「飛び出しの選手」という印象が強すぎたため、それがまだこびりついているだけのことであり、またこの頃はここ数年のように攻撃のタクトを振るうようなプレイヤーでもなかったからでもある。あとは率直に、あのモヒカンとタトゥーのいかつさもその理由に入ってくるだろう。

だが、サッリ政権期からは、指揮官によって植え付けられた精密なメカニズムの歯車の1つとして、前述したような、とても器用な役割をこなしていた。なので、ここが大きな転換期だったのではないだろうか。

それがなければアンチェロッティの元でボランチとしてプレーするハムシクも見れていないし、2列目や1.5列目で活躍するプレイヤーのままだったら、メルテンスやインシーニェにポジションを喰われていたかもしれない(実際にベニテスはそういう判断を下し、ハムシクを常時スタメンとして使うことはなかった)。


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ハムシクの11年を振り返って

 

マレク・ハムシクは、今やナポリファンだけではなく、セリエAのどのチームのファンからも認められる偉大な選手だろう。だが偉大な選手というのは別にハムシクに限ったことではない。クリスティアーノ・ロナウド(ユヴェントス)やダニエレ・デ・ロッシ(ローマ)にだって言える。もしかしたらビッククラブでなくても、そこで長くプレーしている選手にも当てはまるかもしれない。更に言えば、別に所属期間なんて関係ないかも知らない。所詮「偉大なプレイヤー」の定義なんて、人それぞれだ。

 

だが、ハムシクに限って言えば、彼の素晴らしい所は他のプレイヤーにはない。

 

彼が加入したナポリセリエAの昇格組で、上位に上り詰めても「躍進」と目されるような、まだまだ発展途上のチームであった。そこから10年以上の時を経て、ナポリは強くなったのは間違いない。

その間に、選手や監督など、ハムシクを取り巻く環境も変わった。監督から与えられる役割も違えば、共にプレーする選手も変わっていく。そんな中で常時主力としてプレーし続け、しかも個人とチームの結果を両立させていくことが、どれ程難しいか。特にチームの結果に関しては、昇格してから躍進止まりではなく、近年はセリエAの上位常連だ。

そんな上位常連のチームにまで上り詰める過程で、ハムシクはチームと共に成長した。いや、もしかすると、このナポリというチームにいたからこそ成長できたのかもしれない。

 

僕の国語能力のなさ故に、うまく言えないのがもどかしいが、昨今ワンクラブマンが少なくなってきている今、弱小の頃からチームを支え続け、強豪と呼ばれるようになった今でもチームと共に歩みを進める選手など、一握りだ。

そしてその価値の高さの一部が、今回のクラブ最多出場記録として、目に見える形で現れた。

 

 

ナポリと共に歩みを進めるハムシクを見られるのはいったいいつまでだろうか。

彼も31歳で、夏には中国行きが間近に迫るなど(訪れては欲しくないが)、着実にナポリでのキャリアも終わりに近づいているのは確かであろう。

 

だから僕は思う。その時までに、ナポリに忠誠を誓い続けたハムシクが優勝カップを掲げている瞬間が見たいと。

 

頑張れハムシク

頑張れナポリ